0: エレクトーンちゃんねる 投稿日:2015/10/01 08:29 ID:hw777
80年代初頭に一気に普及したエレクトーンFSシリーズ。
特にFS-30。ヤマハの教室にはほとんどこれでした。
FS-30 1983年発売(~86年)
他にFS-20,50,70
FS-30A 1986年発売(~87年)
販売価格が今のスタンダードモデルと変わらないくらいですが、爆発的に売れたモデルです。旧来のレバー式で音を出す形態から、ボタンで音色を選ぶようになり、さらに、音色やリズムを記憶できるシステムが相当受けたのでしょうか。実際には木目調の家具のような顔をした最後のシリーズでした。
(FS-30取扱説明書を参照できます)
◇レジストの記憶◇
今や当たり前となったレジストの記憶は、FS-30で9個ですが、音色パネルと同じ並びにあり、演奏者が切り替えるのは少々不便がありました。現在のように、上鍵盤の下方に並ぶのは、同時期に発売されたFSシリーズの上記機種であるFXシリーズのほうで、こちらが継承されているようです。
◇RSP(リズムシーケンスプログラマー)◇
リズムを最大64小節×4記憶するシステムで、リズムパターンとブレークバリエーション(現在のフィルイン)を指定できるようになりました。限られたリズムパターンでしたが、これにより、演奏に集中できるようになります。
◇その他の新機能◇
タッチトーン:音色依存で、アフタータッチ、イニシャルタッチが有効になります。
ビブラート:設定されたビブラートをかけることができます。
タッチビブラート:設定されたビブラートをアフタータッチでかけられます。
◇外部記憶装置◇
9個の記憶したレジストをFDに保存する装置がMDRでした。発表会などの音色の入れ替えなどには重宝されたようです。
また、次世代のHSシリーズ発売の前年、FS-30Aが発売され、こちらにはRAMパックによる外部記憶が導入されました。容量は9個のレジスト×2です。HS時代にはメインの記憶装置として使われました。
ただ、例によって、新モデルの前年にマイナーチェンジモデルが発売され、購入したのにすぐに次の機種、という販売形態に批判とため息が多かったとも言われます。
この次のHSモデルからは、音色やリズムを加工することができるようになり、既存のシステムの中で試行錯誤する最後のモデルと言ってもいいでしょう。それゆえ、リズムのバランスを片方だけにしたり、小節の途中でバリエーションパターンを変更したり、裏技的なことも割りと多かった時代です。16Beatブレークバリエーション3は、中でも一番有名どころでしょう。
相当売れたことから、今なお、中古市場にはFS-30はあります。まだ実際に弾かれている方も多いのかもしれません。
by 厚木のピアノ職人ラッキーパイ
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